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執筆者の写真創価学会元職員3名

1「創価学会の公明党支援」に対する提言(上)

 先日、初めて頂いた創価学会員の方からのメールに、次のような質問がありました。


 この質問の内容は、多くの学会員の方が抱えている思いではないかと感じてなりません。  そして、真剣に公明党を支援してきた学会員の方だからこそ抱く、切実な悩みであると思いました。

 本年、公明党が政権与党の一角を担うようになって20年となります。  しかしその間に、公明党は「権力」の甘い汁に酔いしれ、自民党の腰巾着になり下がってしまったように感じます。  2014年には「集団的自衛権の行使容認の閣議決定」に加担し、あろうことか、憲法9条の意味を変質させてしまいました。  さらに2015年には、本来の憲法9条に反する、“戦争(武力行使)を容認する『安保法制』”を、自民党と共に可決・成立させました。  その他、原発再稼働、特定秘密保護法、共謀罪法、辺野古基地建設、カジノと、公明党は次々と可決・成立させてきたのです。  私は、この一連の公明党の動きは「立党の意義」を裏切る大暴挙であると感じています。その理由を以下に述べたいと思います。

■ 『公明党出現の意義』=『恒久平和の建設』

 公明党は創価学会を母体として、1964(昭和39)年11月17日に誕生しました。  そして、『公明党出現の意義』について、党の創立者である池田先生(当時、創価学会第3代会長)はこう明言されています。

「誰人も幸福と平和を願わぬものはいない。  しかもなお、平和の道は、なぜかくも険しいのであろうか。  『戦争と平和』は、逃れがたき人間の宿命であろうか。  今こそ人類は、この課題に、根本的にとりくまねばならぬ時が来たのである。  すなわち宇宙時代にふさわしい世界観。新しい指導理念の確立がなされ ばならない。  こうした時代の切実な要求にこたえて、生命論の真髄である王仏冥合の理念を根底に、恒久平和の建設をめざして出現した政党が、公明党である。」 (★1964年『政治と宗教』)

 こうした池田先生の人知れぬ葛藤の中から公明党が誕生したことを忘れてはなりません。  つまり、仏法の慈悲の精神を根底にした、「恒久平和の建設」にこそ、公明党の出現した目的があると言われているのです。  そして池田先生は、「いかにして『恒久平和の建設』を推進していくのか」について、これまで一貫してこう述べられています。

「私どもは、これまで恒久平和主義を掲げた日本国憲法を一貫して守り抜く姿勢をとってまいりました。それは単に日本一国のためというより、平和憲法の精神と理想とを、あらゆる国々、あらゆる民族の心に植えつけ、戦争放棄の人間世界を広げることこそ、恒久的平和への確かな道と信じているからであり す。(中略)  要は時代の趨勢を人類共同体的方向へ強力に向かわせることです。そのリーダーシップを日本こそがとらねばならない。したがって、我が国の進路は、平和憲法を基盤にした平和国家の道であります。」 (★『池田大作全集1』122~123頁)

「日本国憲法のもっとも重要なポイントは“平和”であり、平和憲法ということこそ、この憲法の最高に誇りうる栄冠であると私は考える。  同時に――核戦争の恐ろしさに脅える現代世界にあって、未来への唯一の希望を育てていける道も、この憲法の精神を、日本民族がひろめていくか、どうかにかかっているといってもよかろう。」 (★1979年5月3日『青春抄』:平和憲法と日本)

我が国の平和路線として、第一に挙げなければならないことは、平和憲法を徹底して遵守するということ、それと同時に、平和憲法の精神を共有財産にまで高めていくことであろう。」 (★1979年2月「二十一世紀への平和路線」『創大平和研究』創刊号)

 池田先生は、日本国憲法の平和の理念を活かしながら、世界の平和と人類の幸福を実現しようと御構想されていたのです。  このような池田先生の重要な提言を、『平和』の旗を掲げる公明党議員たちが知らないはずがありません。  さらに、池田先生は日本国憲法の中でも、特に平和主義の要となっている「憲法9条」の「改正」に対しては、以下のように、断固として反対の声明を出されています。

「――憲法改正について。 名誉会長:大事なこと問題はあせらない方がいい。平和憲法は世界に評価された。簡単に改正する考えは持つべきでない。特に九条は(文言を含めて)堅持した方が得だ。(ほかの条文も)あまり悪い点はない憲法だ。 (★「2001年7月4日付読売新聞 池田名誉会長インタビュー」より)

「岩見特別顧問:仮に首相公選制を導入するとなると、憲法改正を必要としますね。 池田氏:そうなんです。私は絶対に第9条だけは変えてはいけないと思います。その他は、やむを得ない場合があるかもしれないが。 岩見:憲法を見直すこと自体はいいと。 池田氏:その通りです。議論は結構だ。9条は変えてはいけない (★「2001年9月25日付毎日新聞 池田名誉会長インタビュー」より)

「玉川孝道西日本新聞編集局長:自衛隊がインド洋に向かっている。憲法改正問題、とくになし崩しの9条改正につながらないか懸念が出ている。 池田名誉会長:これは日本にとって重大な問題だ。確かに、国際化の流れとともに、GHQが作ったといわれる憲法を変更すべきだという意見もある。その気持ちも分からないではない。ただし、戦争に道を開く可能性がある改正には絶対に反対すべきです。私も戦争でつらい思いをした。灰色の青春だった。第9条の理念、精神性だけは絶対変えてはならない。この条文は、全世界、人類にとっての先駆のものだ (★「2001年12月4日付西日本新聞 論対談2001 池田名誉会長」より)

 池田先生はこれだけ明確に、 絶対に第9条だけは変えてはいけない 第9条の理念、精神性だけは絶対変えてはならない と断言なされています。  それにもかかわらず、公明党が与する自公政権は、“抑止力による積極的な平和”なる欺瞞・まやかしの概念をふりかざし、憲法9条の意味を根底から変質させる『集団的自衛権の行使』を容認する閣議決定に賛成。そして、『安保法制』を制定してしまったのです。  これら一連の公明党の行動は、自らの「立党の意義」を裏切る悪行であり、まさに万死に値するものであると考えます。

 御自身も悲惨な第2次世界大戦を体験された池田先生は仰っています。 今日、再軍備をすすめ、憲法の改定を主張する人びとは、戦争の体験を忘れた健忘症か、戦争で甘い汁を吸った“死の商人”の手代としか、私には考えられない  国民は、戦争でまず犠牲にされるのが、だれでもない、国民自身であることを、つねに念頭において、彼らの言葉を判断すべきであろう。そうすれば、彼らのもったいぶった論理の裏にかくされている悪魔の爪は、手にとるように見えてくるはずだ。」と。(★1979年5月3日『青春抄』:平和憲法と日本)  この池田先生の声明には、国民の生命を脅かす戦争への怒りと、民衆(国民)への限りない慈愛がほとばしっています。  しかし、今の公明党は、「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との立党精神を完全に欠落させ、あろうことか大量の戦闘機や武器を購入し、軍拡を進めている実態があるのです。  先生の弟子として、いち仏法者として、断じて断じて許すことのできない実態ではないでしょうか。 ((下)の「♠2 『創価学会の公明党支援」に対する提言(下)』は、既にひとつ前の記事にアップしています。)

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