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執筆者の写真創価学会元職員3名

131「2・23サイレントアピール」の報告(下)


(2020年3月、大誓堂前で滝川光子さんが掲げたプラカード)


 ヤングミセスAさんがおこなった「勇気」「一人サイレントアピール」

 その「勇気の炎」は、私の母である滝川光子さんの「熱き闘魂」にも点火していった。

 Aさんから「一人でサイレントアピールをやってきたよ」との話を聴いた母は、5日後、なんと今度は母自身がたった一人で学会本部の大誓堂前でサイレントアピールを行なってきたのである。


「 勇気は、臆病な心と同様、極めて伝染しやすいものです。

覚悟を決めた、勇気ある人が、わずかでもいれば、その『勇気』は、多くの人々に影響を与えていくのです」

(2009.6.29フィリピン・国立南ルソン大学「名誉人文学博士号」授与式での池田先生の謝辞から(アキノ元大統領の言葉の抜粋))


 3月中旬のその日、信濃町の空は大快晴であったという。

 母の胸には、いつものように師匠池田先生の写真がしのばせてあった。

 平日の大誓堂前は、多くの本部職員たちが行き交う。そんな中、母はたった一人で大誓堂の前に立ち、両手で2つのプラカードを掲げたのである。


『学会のために 声を上げる 会員を処分するな!』

『本部執行部よ!創価三代の精神にかえれ!』


 母の心には、いつ何時も、不当に処分された同志がいた。

 “なんとしても不当に迫害された同志を救うのだ!”

 凛とした母の気迫のこもった姿に、多くの人が立ち止まってメッセージを読んでいく。

 わざわざ自転車を止めて、しばし読んでいく学会員の方もいたという。


 途中、4人の本部職員が、本部第2別館から母の方に向かって歩いてきた。

 そのうちの一人は私が本部職員だった時の後輩で、現在は神奈川青年部の最高幹部である。しかし彼は、プラカードを掲げて立つ母を横目に見ながら、無言で通り過ぎていった。

 続いて、そのあとに来た壮年職員は、通り過ぎた後に「チッ!」と舌打ちしたという。

 それを聞いた、母は思った。

“確実にプラカードを読んでいる!職員の心に刺さっている!

だけど、たった一人のおばちゃんに対して、通り過ぎたあと舌打ちするなんて、なんて臆病なんだ!“と。

 その通りである。

 もし意見があるなら、直接、母と話をすれば良いではないか。

 しかし、対話はせずに無視、そして舌打ちである。

 そこには仏法者の根本精神である「対話の精神」も「結合の心」も皆無である。

 人間を蔑み、人間と人間を分断していく不信感にさいなまれているように感じてならない。

 それは広宣流布を使命とする本部職員として、完全に失格の姿である。


 サイレントアピールの間じゅう、母は心の中でひたすら題目を唱え続けた。

“先生!原田会長と私のどっちが正しいか見てください!

 私は戦います!先生の精神を取り戻すために!”


 学会員である母は、これまで原田会長に手紙を実に24通も書いて来た。

 しかし、原田会長はたったの一度も返事をしない。

 理由はどうあれ、接遇局に足を運び24通に渡る手紙を渡し続けてきた婦人部の心を無視できる原田会長がいかに権威的か、そして臆病か、誰が見ても良くわかるのではないだろうか。


 そして、サイレントをやりきった母は笑顔で私にこう語ってくれたのである。

“「結合は善、分断は悪」だよ。

 私は先生に誓った通り、原田会長との対話を諦めることなく、「おかしいことはおかしい!」と叫び抜くよ。

 私の生きる使命を果たすよ! “と。


 あまりにもあまりにも偉大な創価の母に、ただただ最敬礼である。


 今、たった一人でもサイレントに立ち続ける、ヤングミセスのAさんや滝川光子さんのような無名のご婦人たちの「勇気の戦い」が始まった。

 しかし、それと対照的なのが、「権力の魔性」に負け、創価の師弟を見失い、忘恩・反逆の道を行く原田執行部および公明党の現在の姿である。

 公明党は、連立与党に参画して20年を超える。「権力の美酒」にどっぷりと浸かり、完全に骨抜きにされてしまったように感じてならない。

 その最たるものが、昨今の安倍首相にまつわる『森友問題』を看過し続けている無責任な態度ではなかろうか。


 2018年3月7日、財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54歳・上席国有財産管理官)が、『森友問題』を原因に自殺した。

 そして先日、赤木さんの手記と、遺書が公開されたのである。

 直筆の遺書にはこう書かれていた。

「最後は下部がしっぽを切られる。

 なんて世の中だ。手がふるえる 恐い 

 命 大切な命 終止符」と。


 本当に、怖かったに違いない。苦しかったはずである。文字を見ると、ふるえる手で、命を振り絞って書かれたことがひしひしと伝わってくる。

 さらに手記を読むと、なんと“公文書の記録改ざんの指示は、すべて当時の佐川理財局長の指示によるものであった”ということが暴露されていたのである。

 当時、佐川理財局長は国会答弁の中で、ひたすらに知らぬ存ぜぬを通していたが、それがすべて嘘だったのである。

 さらに手記には、赤木さんが抵抗したにもかかわらず、何度も公文書の記録を修正させられた事実、国会で虚偽答弁が繰り返されること、また検察も事実を知りながら動かない実態など、生々しく書かれていたのである。

 誰しもこの手記を読めば、

“赤木氏が自らの命を絶ってまで伝えたかったことは何なのか?”

“廃棄・改ざんの本当の目的は何だったのか?”

“これまでの調査では不十分であり、再調査を行うべきではないのか?”

との疑問が浮かんでくる。

 そして、ある週刊誌のアンケートでは、88%の人が「森友問題の『再調査』を求めている」との結果が出ているという。

 ゆえに、この「森友問題」に対して、再調査をすべきことは当然である。

 ところが公明党を含む自公政権は、野党の再調査の請求に対し、「財務省の報告書に尽きる」「再調査を行う考えはない」と回答したのだ。

 そして、安倍総理自身も再調査を拒否したのである。

 あまりにあまりに卑怯な回答だと思えてならない。

 亡くなられた赤木氏の夫人は、“安倍首相と麻生大臣は調査される側で、再調査しないと発言する立場にない”と厳しく指摘しているが、まさにその通りである。


 むろん安倍総理が直接関与していたかどうかは明らかではない。

 しかし、この森友問題に対して安倍総理本人が、「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と発言(2017年2月17日)して以降、安倍昭恵夫人を含む政治家らが関わっていた公文書の記録が、『廃棄・改ざん』されていったことはまぎれもない事実なのである。

 つまり、安倍首相の“総理を辞める”との発言によって、官僚が有形無形の圧力を受け、結果的に廃棄・改ざんに手を染めたことは否定し切れない。

 そして、発端となった「森友学園に8億円の値引き売却された土地」は、もともと国土交通省の所有地であり、その値引き売却された時の国土交通大臣は公明党の石井啓一議員であったのである。この問題が取り上げられた当時、なかには、「森友問題」“真相隠し”に公明党の石井大臣が一役買っているとの報道もあったほどである。

 ならば、公明党がこの「森友問題」に対して、先陣を切って真実を明らかにしていく責任があることは当然ではないか!!

 一人の尊い命を軽んじ、真実をひた隠しにするような公明党ならば、もはや存在価値はないと感じてならない。

ゆえに、私は叫びたい!

“なぜ、自殺者が出ているこの重大な問題で、公明党は口をつぐんでいるのだ!!

 かつての公明党議員は、真実を追求するために、船の糞尿層の中にまで入って、不正を明らかにしていた!(「新・人間革命」第9巻「衆望」の章参照)。

 その精神はいったいどこに行ってしまったのか!”と。


 公明党の根本精神は、永遠に「大衆とともに語り、大衆とともに戦い、大衆の中に死んでいく」との精神でなければならない!

 しかし今の公明党は、“小さな声を聴く力”が発揮されるどころか、“安倍自民”“原田学会”という権力の言いなりになっているのが実態である。

 人間の命よりも、権力の座に居座ることを優先する公明党。命を絶ってまでも伝えようとした赤木氏の叫びを無視することができてしまう公明党。そして、その公明党を裏で操っている原田執行部。


“体曲がれば影ななめなり”


 コロナ禍の混乱にあって、あらためて一切の根本は人の命であり、一人の人間であることを思わない日はない。

 私は叫びたい!

 権力を守るために一人の命を蔑ろにできる原田学会と公明党、 この“創価の狂いこそが、社会の狂いの元凶であり、日本、世界を混乱に陥れている一切の元凶である!!”と。


 師匠は明確におっしゃった。

「もしも将来、原理原則を踏み外すような幹部が現れたならば、断じて許してはいけない。

 異体同心の革命児の弟子たちが、猛然と戦い抜いて、三代の正しい軌道へと戻していくのだ。」【全国合同協議会2006年11月22日】と。


 今こそ、この師匠のご指導を胸に、立ち上がるときである!

“たった一人の偉大なる人間革命が、やがて全人類の宿命の転換を成し遂げる”との師匠の獅子吼を胸に!!

 私は原田執行部に何度でも突き付ける!

「正しき創価三代の師弟の精神にかえれ!」と。

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